2026年度 兵庫医科大学推薦 物理過去問|公式にない導出過程

目次

【2026年度 兵庫医科大学 学校推薦型選抜】物理 過去問 解答例(導出過程付き)|うかるレシピ編集部作成

公式解答例には最終的な答えのみが掲載されていますが、実際の入試では「導出過程も簡潔に記すこと」が求められ、そこが得点を左右します。以下はうかるレシピ編集部が独自に作成した解答例で、大学の公式発表ではありません(最終的な答えは公式解答例と一致することを確認済みです)。

問題文は掲載していません。大学が公表している問題を手元に用意してご覧ください。各設問の解答は、その問題を見ながら読む前提で書いています。

以下、導出過程が求められている16問(〔問1〕(4)〜(7)、〔問2〕(10)〜(13)、〔問3〕(14)〜(17)、〔問4〕(18)〜(21))について、うかるレシピ編集部が作成した解答例です。


〔問1〕電磁気(ホール効果)

直方体の半導体(幅w、奥行きl、厚さh)に電流 I を流し、垂直に磁束密度 B の磁場をかける。電子の速さをv、単位体積あたりの電子数をnとする。

(4) 電場の大きさ

静電気力とローレンツ力がつり合うので

eE = evBE = vB

(5) 電子の速さ

I = envS、断面積 S = wh より

I = envwhv = Ienwh

(6) PQ間の電圧

V = EwwはPQ間の距離)。(4)(5)を代入して

V = vBw = IBenh

(7) 単位体積あたりの電子数

(6)をnについて解き、測定値を代入して

n = IBehV = (0.80×10−3)(1.0)(1.6×10−19)(1.0×10−3)(2.0×10−3) = 2.5×1021 m−3

〔問2〕力学(斜面上の運動と仕事)

水平から角度θの斜面上、A点から質量mの小物体を静かに離す。A-B間はなめらか、B-C間には摩擦があり、BC間は一定の速度で滑る。A, Bの高さはそれぞれa, b

(10) BC間での小物体の速さ

AB間は力学的エネルギー保存則より

mga = mgb + 12mv2v = 2g(ab)

(11) BC間の垂直抗力

斜面に垂直な方向のつり合いより

N = mgcosθ
ポイント:「鉛直」と「垂直」の違い 似ているため混同しやすい2語です。
垂直:ある面や線に対して90°をなす方向
鉛直:重力がはたらく方向(真下)
ここでの垂直抗力は「斜面に垂直」であり、「鉛直」ではありません。

(12) BC間の動摩擦係数

等速なので力のつり合いより

μmgcosθ = mgsinθμ = tanθ

(13) 摩擦力がした仕事

A→B間の仕事は0。B→C間の距離は bsinθ なので

W = −μmgcosθ × bsinθ = −mgb · μtanθ

μ = tanθ を代入して

W = −mgb

(別解:仕事とエネルギーの関係 mga+W= 12mv2 に(10)の結果を代入しても同じ答えが得られる)


〔問3〕熱(気体分子運動論)

半径rの球形容器に、質量mの分子N個が入っている。分子は速さvで、器壁の点Pにおいて中心Oとの線と角度θをなして弾性衝突する。

(14) 1分子の運動量変化

弾性衝突では壁の法線方向の速度成分だけが反転するので

Δp = |−mvcosθmvcosθ| = 2mvcosθ

(15) 単位時間あたりの衝突回数

次の衝突までの道のり(弦の長さ)は2rcosθなので、1回あたりの時間は

2rcosθv

よって、単位時間あたりの衝突回数は、その逆数をとって

v2rcosθ

(16) 気体全体が器壁に与える力

1回の衝突で生じる力積と、単位時間あたりの衝突回数の積は、単位時間あたりの力積=力に等しいので

F = N × 2mvcosθ × v2rcosθ = Nmv2r

(17) 容器内の圧力

圧力=力÷面積、球の表面積4πr2より

p = Fr2 = Nmv2r3

球の体積V= 43πr3 より4πr3=3Vなので

p = Nmv23V

〔問4〕波動(薄膜干渉)

空気中、波長λの単色光が、厚さd・屈折率nの薄膜に入射角iで入射する。膜表面(点A)で屈折し屈折角rで進み、点Cで反射して点Dを透過した光と、点Dで反射した光との干渉を考える。

(18) 薄膜中での光の波長

屈折の法則より

n = λλ′λ′ = λn

(19) 薄膜の屈折率

屈折の法則より

sini = nsinrn = sinisinr

(20) 経路BCDの長さ

Bは直線ACへの垂線の足なので

AC = CD = dcosr ,  AD = 2dtanr,  AB = AD sinr
BC + CD = (AC + CD) − AB = 2dcosr
ポイント:全体から引き算で考える BC・CDをそれぞれ個別に求めていくこともできますが、反射の関係からAC=CDとすぐに分かること、ABがADから簡単に求まることに気づけると、「AC+CDという全体から、ABを引く」という発想に切り替えられます。細部から積み上げるのではなく、まず全体を見渡してから引き算で捉える視点は、他の図形の問題でも応用が効きます。

(21) 反射光が強め合う条件

光路差はn×(BC+CD) = 2ndcosr。点D(空気→膜への反射)でのみ位相がπずれるので

2ndcosr = (m + 12 )λ  (m=0,1,2,⋯)

まとめ:出題の傾向と注意点

16問を通して見ると、いくつかの共通点が浮かび上がります。

  1. 「一定の速度」「弾性衝突」「なめらか」といった問題文の言葉が、使うべき法則をそのまま示している。(10)(12)(14)はどれも、この読み替えができるかどうかが最初の関門です
  2. 前の設問の結果を、次の設問にそのまま持ち込む構成が多い。(13)(16)(17)(21)はいずれも直前までの結果を使います。途中の設問でつまずくと、後半が連鎖的に解けなくなる構造です
  3. (15)のように「単位時間あたりの回数」を求める設問は、回数÷時間という構造を意識しないと、分母と分子を逆にして取り違えるリスクがあります
  4. (16)は主語が「気体分子が」((14))から「気体全体が」に切り替わっています。ここに気づかないと、1分子分の力積をN個ぶんに掛け直すのを忘れてしまいます
  5. (20)のように、文章には書かれておらず図(直角マークなど)からしか読み取れない情報があります。図を丁寧に読み取る力が必要です

公式解答例には数値としての答えしか載っていませんが、実際の試験ではこの過程をどう書くかが得点を分けます。過去問演習の際は、答え合わせで終わらせず、途中式まで再現できるかどうかを確認することをおすすめします。

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