兵庫医科大学医学部医学科は、総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜という3つの枠組みの中に、合計6つの入試方式を持っています。配点も出願資格もボーダーラインも方式ごとに大きく異なるため、自分に合った入り口を選べるかどうかが合否を分けます。
本記事では、兵庫医科大学が公表する2027(令和9)年度学生募集要項と、2024〜2026年度の入試結果データをもとに、各方式の仕組みと合格に必要な得点水準を解説します。
この記事でわかること
- 兵庫医科大学の6つの入試方式(総合型・学校推薦型・一般選抜A/B)の違い
- 方式別の試験科目と配点
- 過去3年間の合格最低点(得点率換算)の推移
- 併願できる組み合わせ・できない組み合わせ
- 出願手続きで注意すべきポイント
兵庫医科大学の6つの入試方式一覧
まず募集人員と日程の全体像を押さえましょう。出願期間・試験日はすべて2026年(出願)〜2027年(試験)の日付です。
募集人員約5名 出願期間10/1〜10/15 試験日1次11/15・2次12/6
募集人員3名以内 出願期間10/1〜10/15 試験日1次11/15・2次12/6
募集人員約2名 出願期間10/1〜10/15 試験日1次11/15・2次12/6
募集人員3名以内 出願期間10/1〜10/15 試験日1次11/15・2次12/6
募集人員約23名 出願期間11/1〜11/6 試験日11/15
募集人員5名以内 出願期間11/1〜11/6 試験日11/15
募集人員約54名+兵庫県推薦枠3名 出願期間12/14〜1/20 試験日1次2/4・2次2/17または2/18
募集人員約10名 出願期間12/14〜1/20 試験日1次2/4・2次2/27
出典:兵庫医科大学『2027(令和9)年度学生募集要項』P.7
併願できる組み合わせ・できない組み合わせ
出願資格を満たせば併願できる方式と、できない方式があります。
併願できる
- 総合型選抜(一般枠・卒業生子女枠)× 学校推薦型選抜(一般公募制・地域指定制) → ただし学校推薦型選抜に合格した場合はそちらが優先されます
- 学校推薦型選抜の一般公募制と地域指定制は、地域指定制で出願すれば自動的に両方が選考対象(検定料は6万円のみ)
- 一般選抜A × 一般選抜B(この場合の検定料は合計12万円)
併願できない
- 総合型選抜(国際バカロレア枠)は他のどの方式とも併願不可
- エキスパート養成入試は他のどの方式とも併願不可
出典:兵庫医科大学『2027(令和9)年度学生募集要項』P.35「入試Q&A」Q1・Q2・Q6・Q9
方式別の試験科目と配点
表が複雑になりやすい部分なので、方式ごとに箇条書きで整理します。
総合型選抜(一般枠・卒業生子女枠)
- 1次:外国語100点/理科150点/小論文50点
- 2次:プレゼンテーション50点/個人面接50点/調査書等30点
学校推薦型選抜(一般公募制・地域指定制)
- 数学100点/外国語100点/理科150点/小論文50点/面接・調査書30点
- 合計430点満点
一般選抜A(4科目型)
- 外国語150点/数学150点/理科200点/小論文50点/面接・調査書80点
- 合計630点満点
一般選抜B(英語資格試験活用型)
- 数学100点(150点満点を換算)/理科100点/小論文50点/外国語150点/面接・調査書等80点
- 合計480点満点
- 出願には英検2級合格以上など、一定の英語資格が必要です
出典:兵庫医科大学『2027(令和9)年度学生募集要項』P.12・P.18・P.20・P.22・P.24
合格最低点はどのくらい?過去3年の得点率を比較
大学公式サイトの入試結果ページをもとに、合格最低点を「満点に対する得点率」に換算しました。数字だけを追えるよう、表はシンプルにしています。
| 選抜方式 | 2024年度 得点率 | 2025年度 得点率 | 2026年度 得点率 |
|---|---|---|---|
| 一般選抜A | 約61% | 約61% | 約66% |
| 一般選抜B | ― | 約62% | 約67% |
| 学校推薦型(一般公募制) | 約58% | 約68% | 約74% |
| 学校推薦型(地域指定制) | 約59% | 約74% | 約76% |
| 総合型(一般枠) | 約59% | 約66% | 約67% |
| 総合型(卒業生子女枠) | 約58% | 約64% | 約65% |
| エキスパート養成入試 | ― | ― | 約71% |
※一般選抜Bは2024年度と2025年度で配点構成が異なるため、2024年度の得点率は比較対象から除いています。エキスパート養成入試は2026年度入試結果で初めて公表された枠のため、2024・2025年度の数値はありません。
出典:兵庫医科大学「2024年度入試(医学部)」「2025年度入試(医学部)」「2026年度入試(医学部)」入試結果ページ
このデータからわかること
一般選抜Aは、2年間の横ばいから2026年度に大きく上昇しました。2024・2025年度は合格最低点が満点の約61%で安定していましたが、2026年度は約66%まで一気に上がっています。
志願者数も2,290名(2026年度)と過去最多を更新しており、母集団のレベルが底上げされている可能性があります。実質倍率も2025年度の10.6倍から2026年度は11.4倍に上昇しました。
学校推薦型選抜・総合型選抜は3年連続で得点率が上昇しています。特に学校推薦型選抜(一般公募制)は58%→68%→74%と、2年続けて大幅に上がり続けており、「評定平均を満たせば有利」という時代ではなくなっています。
一方で学校推薦型選抜(地域指定制)や総合型選抜(卒業生子女枠)は、2025年度から2026年度にかけての伸びが小さくなっており、高止まりの兆しも見えます。
一般選抜Bは引き続き最難関の方式です。2026年度の志願者516名に対し正規合格者はわずか10名で、実質倍率は31.7倍まで上昇しました。
得点率も約67%に達しており、英語資格を保持しているだけでは足りず、数学・理科・小論文の実力が合否を分けます。
エキスパート養成入試は2026年度入試結果で初めて公表されました。
得点率は約71%と、他の総合型選抜より高い水準です。特定診療科(外科系・救急科)への強い意志と学力の両方が求められる方式であることがうかがえます。
出典:兵庫医科大学「2024年度入試(医学部)」「2025年度入試(医学部)」「2026年度入試(医学部)」入試結果ページ/同「入試Q&A」
方式別の対策ポイント
総合型選抜・学校推薦型選抜 適性検査は学校推薦型選抜と共通問題が使われるため、両方式を併願するなら学習範囲は共通化できます。
小論文は医療・倫理系のテーマで演習を積みましょう。面接・調査書の配点は大きくありませんが、「著しく低い場合は不合格」という規定があるため最低限の準備は必要です。
一般選抜A 外国語・数学・理科で全体の79%を占めます。基礎学力を6割台で安定させることが最優先です。
小論文は2次選抜の判定に使われます。西宮・大阪・東京・福岡の4会場から選べます(1次試験は西宮を除く3会場)。
一般選抜B 外国語150点を武器にできる英語力の高い受験生向けです。ただし出願資格は「英検2級合格以上」など明確な基準があり、基準スコアのみでは出願できません。
出典:兵庫医科大学『2027(令和9)年度学生募集要項』P.12〜P.25、P.35
出願手続きで注意すべき5つのポイント
- 出願は「WEB出願登録」「検定料の支払い」「書類の郵送」の3つが揃って初めて完了します
- 検定料の支払い期限は、出願登録の翌日23:59まで(登録期間最終日は当日16:00まで)
- 出願書類は角形2号封筒に入れ、簡易書留速達郵便で郵送(消印有効)
- 一般選抜A・Bを両方出願する場合、検定料は合計12万円です
- 提出書類を生成AIで作成した場合は不正行為とみなされ、合格取消の対象になります
出典:兵庫医科大学『2027(令和9)年度学生募集要項』P.11・P.38〜43・P.9
併願戦略の考え方
学力・評定の状況別に、おすすめの組み合わせをまとめます。
- 評定4.0以上&学力にも自信がある方:学校推薦型選抜(地域指定制で出願すれば一般公募制も同時選考)+一般選抜A。ただし推薦系のボーダーは2026年度で74〜76%まで上昇しており、評定要件だけでは足りない点に注意
- 英語力が突出している方:一般選抜Aと一般選抜Bを同時出願し、受験機会を最大化
- 総合型選抜での評価に自信がある方:総合型選抜(一般枠)と学校推薦型選抜(一般公募制)は併願可能なため、10月出願と11月出願の両方にエントリーし、後者を保険とする設計が可能
よくある質問
Q. 総合型選抜と学校推薦型選抜は併願できますか?
A. 出願資格を満たせば併願可能です。ただし学校推薦型選抜に合格した場合は、そちらでの入学が優先されます。
Q. 一般選抜Bだけを受験する場合、東京会場で受けられますか?
A. いいえ。一般選抜Bのみの出願は大阪会場(ATCホール)での受験となります。一般選抜Aも合わせて出願する場合のみ、大阪・東京・福岡のいずれかを選べます。
Q. 合格最低点はどこで確認できますか?
A. 兵庫医科大学の受験生サイト「入試結果」ページで、年度ごとの正規合格者最低点が公表されています。
出典一覧
- 兵庫医科大学『2027(令和9)年度学生募集要項』(医学部医学科)
- 兵庫医科大学 受験生サイト「2024年度入試(医学部)」入試結果ページ https://www.hyo-med.ac.jp/admission/outline/statistics/nishinomiya_2024/
- 兵庫医科大学 受験生サイト「2025年度入試(医学部)」入試結果ページ https://www.hyo-med.ac.jp/admission/outline/statistics/nishinomiya_2025/
- 兵庫医科大学 受験生サイト「2026年度入試(医学部)」入試結果ページ https://www.hyo-med.ac.jp/admission/outline/statistics/nishinomiya_2026/
- 大学受験パスナビ(旺文社)「兵庫医科大学/合格最低点」 https://passnavi.obunsha.co.jp/univ/4550/border/
免責事項:本稿の数値・制度内容は上記出典に基づき作成した参考情報です。最新かつ正確な情報は、必ず兵庫医科大学が発行する募集要項および公式サイトでご確認ください。合格最低点は年度により配点構成が変更される場合があり、単純な経年比較には限界があります。
