香川大学 物理(一般選抜)|過去問5年分でわかった傾向と対策

目次

香川大学の物理は、出る分野が5年間変わっていません

香川大学の物理を2022〜2026年度の5年分、実際にすべて解いて調べたところ、大問の並び順と分野が、5年間まったく同じでした。

大問分野
第1問力学
第2問電磁気
第3問波動
第4問熱力学
第5問原子

「今年は原子が出ないかもしれない」というような心配をする必要がなく、5分野すべてに均等に力を入れておけば、出題の的を外すことはまずないということです。

ただし、固定されているのは「分野」だけです。

同じ波動でも、ある年は光の干渉、別の年はドップラー効果というように、扱うテーマ(題材)は毎年変わります

「波動が出る」ことは確実でも、「波動の中の何が出るか」までは決まっていません。

そのため対策としては、分野ごとに教科書レベルの内容を一通り仕上げておくことが土台になります。

5分野それぞれの雰囲気を、簡単に触れておきます。

分野特徴
力学物体の運動(投げ上げ・衝突・斜面など)が中心で、運動方程式や保存則を組み合わせて解く形が多く見られます。
電磁気コンデンサーや回路の問題が中心です。年によって直流回路・交流回路と、扱う内容自体は変わります。
波動レンズ・干渉・ドップラー効果など、扱うテーマは年によってさまざまですが、5分野の中でも比較的、グラフや図を読み取らせる設問が多い分野です。
熱力学気体の状態変化を扱う問題が中心です。圧力と体積の関係を表すグラフがよく使われる分野でもあります。
原子光電効果やコンプトン効果などを扱う分野です。履修時期が遅く後回しにされがちですが、香川大学の問題は誘導が丁寧で、比較的取り組みやすい設問も多く含まれています。

それぞれの分野には、香川大学らしい「差がつくポイント」があります。

どこで差がつくのかは、このあと「頻出パターン」で具体例とともに見ていきます。

また、これは直近5年間の実績であって、来年度も必ず同じ並びになるという保証ではありません。

とはいえ5年間ぶれていないという事実は、対策の優先順位をつけるうえで十分参考になります。

香川大学 物理の頻出パターン5つ

5年分を解いて突き合わせた結果、毎年のように繰り返し出てくる「差がつくポイント」が5つ見えてきました。

香川大学の物理で伸び悩むのは、たいてい「公式を知らないから」ではなく、「知っている公式を、この場面で使っていいか判断できないから」です。

ここでは、そのうち特に重要な5つを紹介します。

① 図に描かれた情報が、そのまま答えを左右する

問題文だけを読んで解き始めると、途中で手が止まることがあります。

文章には書かれておらず、図の中にしか描かれていない情報があるからです。

2026年度の波動の問題では、観測者P・音源S・壁Rが一直線上に並んでいるという設定でしたが、その並び順(どれが一番左で、どれが一番右か)は図でしか確認できず、文章だけを読んでもわかりませんでした。

P(観測者) S(音源) R(壁)

※実際の問題図そのものではなく、位置関係の考え方を示すための簡易図です

同じ2026年度の熱力学の問題では、気体の状態変化を表すグラフに、サイクルが時計回りか反時計回りかを示す矢印が描かれていましたが、この向きは文章では一切説明されておらず、グラフの矢印を見て初めてわかる作りになっていました。

対策

問題を解き始める前に、文章と図を両方一度に確認する習慣をつけましょう。

「この記号は図のどこに対応しているか」を確認してから式を立てると、あとで手が止まる回数がぐっと減ります。

② 指定された文字は、そのまま解き方のヒントになっている

「〜を用いて答えなさい」
「〜を使わずに求めなさい」
という指定があります。

これは単なる形式的な制約ではなく、「どの式を使ってどの文字を消すか」を教えてくれるヒントです。

2023年度の力学の問題では「加速度の大きさは、gと定数のみで表しなさい」という指定がありました。指定にない文字(質量など)は、答えに残してはいけないということです。

2026年度の力学の問題では、ある設問で「v1、v、θを用いて求めなさい」という指定があり、重力加速度gは含まれていませんでした。gも同じく、答えの中では消えるべき文字だったということです。

対策

「〜を用いて」の部分に印をつけておき、解き終えたあとにその印を見返して、指定通りの文字で答えられているか確認しましょう。

問題文中に出てくるのに指定にない文字は、「消す対象」として意識しておくと、式を立てる方向性に迷わなくなります。

③ 前の設問の答えが、次の設問の“伏線”になっている

答えが前の設問とまったく同じ値になったり、求めた式が何に使われるのか見えてこなかったりする設問があります。

こうした設問は、次の設問を解くための唯一の手がかりになっています。

2026年度の熱力学の問題では、ある設問で「気体が熱を吸収するか、放出するか」を場合分けして答えさせ、次の設問はその場合分けの結果がわからないと計算が始められない、という作りになっていました。

同じような関係が、2026年度は力学・電磁気・波動・熱力学の4つの大問で見つかっています。

対策

答えを出したあと「これは何のために聞かれたのだろう」と感じたら、その答えに印をつけて先に進みましょう。

④ グラフや図が、計算の代わりになっていることがある

グラフや図を見るだけで、複雑な計算をせずに答えがわかってしまうことがあります。

2022年度の熱力学の問題では、圧力と体積の関係を表すグラフに、四角形の形をした部分が描かれていました。

圧力 体積 面積=仕事

※実際の問題図そのものではなく、面積と仕事の関係を示すための簡易図です

その四角形の面積が、そのまま気体が行った仕事の量に等しいという関係を使うと、複雑な計算をしなくても、その場で答えが出せる作りになっていました。

対策

グラフや図が与えられたときは、計算を始める前に、そこに答えを出すための近道(ヒント)が隠れていないかを一度確認してみましょう。

見つかる場合、先ほどの例のように、複雑な式を立てて解く代わりに、グラフから読み取れる情報をそのまま計算に使えることがあります。気づかずに自力で計算し直すと、時間がかかるうえに計算ミスも増えます。

⑤ 答えの数値だけでなく、図・文章・導出過程を求められる

香川大学の物理では、答えの数値を書くだけでなく、グラフを描く・文章で説明する・導出過程を示すという形式の設問が一定数出題されています。

その年によって多い年度もあれば、少ない年度もあり、分量には幅があります。

内容は大きく3つに分けられます。

グラフを描く

電場や電位のグラフ、圧力と体積のグラフなど。

細かい数値の精度よりも、「増えているか減っているか」「直線か曲線か」といった形の特徴が伝わる描き方ができれば十分です。

文章で説明する

2022年度の力学の問題では「小球Bから見た小球Aの運動を、文章で答えなさい」という設問がありました。旺文社の解答例では、わずか14字でした。

2026年度の電磁気の問題では「電池」「並列」「内部抵抗」「電圧降下」という指定された言葉を使って説明しなさい、という設問がありました。

長く書けばよいわけではなく、要点だけを短くまとめる練習が有効です。

2026年度には「60〜90字で説明しなさい」のように、字数まで指定する設問が初めて登場しました。あくまで1年分の一例ですが、求められているのが長い論述ではなく、短くまとまった説明であることがうかがえます。

導出過程を示す

「導出過程についても解答用紙に記述しなさい」という指定です。

答えの式だけでなく、なぜその式を使ったのかを一言添えることを普段の演習から意識しておくと、本番でも自然に書けるようになります。

対策

実際に見ていくと、答えの数値が合っているだけでは評価されにくい設問が多いことがわかりました。普段の演習から、グラフを描く問題・文章や導出過程を求める問題も選んで練習しておくと、模範解答と見比べながら自分の書き方を磨いていけます。

導出過程については、「なぜこの公式を使ったのか」「問題文のどの条件がこの解き方を決めたのか」を自分の言葉で説明できるようにしておくと——いわば言語化する練習を積んでおくと、本番でも自然に手が動くようになります。

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